昨今、広汎な分野(ゲーム、経済、自動運転、ロボットなど)で利活用されつつある知的な情報処理手法として人工知能(AI:Artificial Intelligence)技術が脚光を浴びています。これらAIの核となる処理は、「推論:知識をもとに、新しい結論を得ること」、「学習:情報から、将来使えそうな知識を見つけること」の二つに大別され、ディープ・ラーニング(深層学習)とよばれる新しい適応計算処理が大きな役割を果たしています。
本セミナでは、まずディジタル信号処理の数式表現の基礎(差分方程式、z変換)について、実習を通して復習し、理解を深めていただきます。続いて、ディジタル信号処理でしか実現できない時変的な適応フィルタを取り上げ、その学習計算アルゴリズムが人工知能の基礎理論(バック・プロパゲーション法、ディープ・ラーニング)につながることを、シミュレータ演習を交えて解説します。具体例としてフィルタ処理(雑音除去、信号抽出)のための適応フィルタからAIにつながる計算アルゴリズムにフォーカスして説明します。シミュレーション演習を通して、「DSP技術を使えば、こんな芸当ができるんだ」、「AIも難しいと思ってたけど、どうってことはない、超簡単なんだ」という感覚を実感してもらい、AIをビジネスに実装する方法についての概要を説明します。
その際、科学技術計算用フリーソフトウェア「Scilab (ver.5.5.2)」、表計算ソフトウェア「Microsoft Excel」と、アナログ/ディジタル信号処理用シミュレータ「InterSim」を活用し、受講者自ら手を動かして演習を行いながら、視覚的かつ体感的に理解してもらいます。
<本セミナーの概要>
1 ディジタル信号処理を理解する上での"キホンのキ"を知ろう[演習]
1−1 z変換、差分方程式、ブロック線図、伝達関数とインパルス応答
1−2 プログラム表現
2 人工知能(AI)の基礎数学[演習]
2−1 AIと機械学習
2−2 勾配降下法による最小値検索
2−3 最小2乗法
3 適応フィルタの基礎[演習]
3−1 適応フィルタとは
3−2 適応/学習処理アルゴリズム
3−3 最小2乗平均(LMS)の原理
3−4 システム同定(アナログフィルタのディジタル化)、雑音除去
4 機械学習とニューラル・ネットワーク[演習]
4−1 データ分類と識別関数
4−2 機械学習の基本アルゴリズム
4−3 機械学習を体感してみよう
4−4 活性化関数
4−5 一般化した識別関数と学習アルゴリズム
4−6 ニューラル・ネットワークとは
4−7 単純パーセプトロンによる機械学習
5 深層学習(ディープラーニング)[演習]
5−1 多層パーセプトロンとは
5−2 多層パーセプトロンの機械学習を体験してみよう
5−3 深層学習アルゴリズム(誤差逆伝搬法)
6 AIをビジネスに実装する方法
6−1 AIの導入前に知っておきたいこと
6−2 AI導入のプロセスを知る
6−3 画像、音声、テキストが新しいビジネスを生む
7 ポイントの整理とまとめ
<ご注意>
・本技術講習会では、ノートPCの持ち込みと事前のソフトウェアインストールが必要となりますので各自ご持参ください。
(事務局では、PCの準備を行うことはできませんのであらかじめご了承ください。)
・事前のインストールが必要なソフトウエアは、「Microsoft Excel」、「Scilab (ver.5.5.2)」、「InterSim」の3つです。
・「Microsoft Excel」については各自ご用意ください。
・ハイブリッド(アナログ/ディジタル)シミュレータ InterSim(90日版−無料試用版)及びScilabの入手方法及びインストール手順については、本講習会へのお申し込み後に個別ご連絡いたします。
・ハイブリッド(アナログ/ディジタル)シミュレータ InterSimの詳細については、株式会社マイクロネット様のHPよりご確認ください。
・Scilabの詳細については、ScilabのHPよりご確認ください(今回使用するのは、version 5.5.2 です)。
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