今日では電子回路(特にアナログ回路)の設計には、回路シミュレータを活用することが欠かせません。
たとえば、スイッチング電源を試作するにしても、かつては手作りの評価ボードでおおよその評価実験を行うことができましたが、最近では、動作周波数が高く(数MHz)なり、かつ大電流になってきたことから、簡単な手作り評価ボードでは安定動作させることも難しく、評価実験が困難になってきています。そのため、位相補償などの回路定数を適切に決定するために、シミュレーションが重要な役割を果たすようになっています。
本セミナーでは、リニアテクノロジー社(LT社)から無償提供される回路シミュレータであるLTspiceの基本的操作方法とその活用例を解説します。LTspiceは広く利用されていますが、使いこなすためには十分な知識が必要です。本セミナーでは、LT社のスイッチング電源を例題に、基本的なLTspiceの操作方法を実習するとともに、LTspiceの上級の利用法であるLT社以外のSPICEモデルを活用する手法についても解説します。
さらに電子回路の評価にあたって、注意をしなければならないいくつかのTIPSも交え、スイッチング電源のPCB設計の留意点についても解説します。
これまでスイッチング電源やOp.Amp.など実際の設計でLTspiceお使いになった方、あるいは、近い将来これらの設計に携わられる方で、これからLTspiceを実務に使いたい方、既に使用していてもいまいち使い方が分からない方、また、スイッチング電源の開発に携わる方にもおすすめしたい内容です。
本セミナー講師の渋谷先生は、「回路シミュレータ・LTspiceで学ぶ電子回路(オーム社刊)」の著者です。本セミナーでは、この本をテキストにはしませんので、あえてご購入いただく必要はありません。当日お配りするテキストに沿って解説をします。
<ご注意>
・本講習会では、ノートPCの持ち込みと事前のソフトウェアインストールが必要となります。
(事務局では、PCの準備を行うことはできませんのであらかじめご了承ください。)
・以下を参考に、「LTspice IV」をインストールしたPCをご持参ください。
LTspice IVのダウンロードサイトは LTC社(日本語版)のwebページ内のこちらになります。
(http://www.linear-tech.co.jp/designtools/software/#LTspice)
WindowsPCの場合、「LTspice IV(Windows用)をダウンロード(2014年5月5日更新)」からソフトウェアを入手してください。
※途中で「MyLinear」への登録を尋ねられますが、登録/非登録のいずれでも機能上の差はありません。
Mac版でも動作可能ですが、セミナーはWindows版で実施します。 |